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金利・返済

旧耐震・築古に融資が付きにくいことは、金利上昇でどう影響するか

旧耐震・築古に融資が付きにくいことは、金利上昇でどう影響するかのイメージ

旧耐震や築古の物件は、融資の期間が短くなりやすく、毎年の返済が重くなります。そこに金利の上昇が重なると、返済後の手残りがほとんど残らず、融資を使う買主は審査を通りにくくなります。買主が限られる仕組みを試算で示し、現金で買う買主に売ることの意味と、売主が確かめておく点をまとめました。

結論

旧耐震・築古の物件は、融資の期間の短さで返済がもともと重く、金利が上がると融資を使う買主の収支がさらに厳しくなります。買主は現金の割合が高い層に絞られやすいため、融資の審査を前提にしない買主にも早めに当たることが、売却の見通しを立てる近道です。

旧耐震(現在の耐震基準より前の基準で建てられた建物)や築古の物件は、融資を受けられても返済の期間が短くなりやすいものです。期間が短いと、毎年の返済額はもともと重くなります。

そこに金利の上昇が重なると、融資を使う買主は返済後の手残りがほとんど残らず、審査を通りにくくなります。結果として、買主は現金の割合が高い層に絞られやすくなると言えます。

旧耐震・築古に融資が付きにくい理由

金融機関は、融資の審査で物件の収支と、担保としての価値を見ます。住宅金融支援機構の調査(2025年度)でも、アパートローンの審査で重視する点として「物件の収支バランス」が最も多く挙げられました。

旧耐震や築古の物件では、次の点が審査で不利に働くことがあります。

  • 返済期間が短くなる:建物をあと何年使えるかの見立てに合わせて、返済期間を短く設定されやすい
  • 担保の評価が低い:建物の価値がほとんど見込まれず、土地の価値だけで評価されることがある
  • 耐震性への懸念:地震での損傷のリスクや、将来の建て替えの負担が意識される
  • 修繕費の見込みが大きい:取得後すぐに大きな工事が必要なら、その資金も含めて審査される

もちろん、すべての築古物件に融資が付かないわけではありません。物件の収支や立地、買主の資力によって結果は変わります。旧耐震の物件そのものの評価の考え方は旧耐震の収益物件は、どう評価されるのかで詳しく触れています。

金利の上昇が、その不利をどう大きくするか

日本銀行は2026年6月に政策金利を1.0%程度へ引き上げ、今後も情勢に応じて引き上げていく方針を示しています(2026年9月時点)。借入の金利が上がると、返済期間の短い借入ほど手残りへの影響が表に出やすくなります。

純収益200万円の物件を1,600万円の借入で買う試算で、返済期間20年と10年を比べた図。年2.5%では手残りが約98万円と約19万円、年3.5%では約89万円と約10万円。金利が1%上がると、どちらも年9万円前後減る。

例えば、年間の純収益(家賃収入から経費を引いた残り)が200万円の物件を、1,600万円の借入で買う場合を考えます。試算の前提は元利均等返済で、返済期間20年は築年数の浅い物件、10年は旧耐震で期間が短くなった場合を想定しています。

返済期間と金利 年間の返済 返済後の手残り
20年・年2.5% 約102万円 約98万円
20年・年3.5% 約111万円 約89万円
10年・年2.5% 約181万円 約19万円
10年・年3.5% 約190万円 約10万円

金利が1%上がったときに減る手残りは、どちらも年9万円前後です。しかし20年の借入では手残りが十分に残るのに対し、10年の借入では手残りが年10万円ほどしか残りません。空室が1戸出るだけで赤字になりかねず、金融機関も買主も慎重になるでしょう。

返済期間が短い物件ほど金利の影響を受けやすい点は、地方の築古アパートは、金利上昇の影響を受けやすいのかでも別の角度から触れています。

買主が限られると、売主に何が起きるか

融資を使う買主が審査を通りにくくなると、売主の側では次のようなことが起きやすくなります。

  • 契約が白紙に戻る:融資が下りなければ契約を解除できる取り決め(ローン特約)で、数ヶ月待った末に振り出しに戻る
  • 価格の交渉が増える:手残りを確保するために、買主が価格を下げる交渉をしてくる
  • 売却の期間が延びる:審査を通る買主を探す間、空室や修繕の負担が続く

こうした物件では、現金の割合が高い法人や買取業者が、現実的な買主の中心になります。融資の審査を前提にしないため、価格の根拠が物件の収益と再生の費用にしぼられ、話が止まりにくいのが特徴です。

金利が上がる局面では、この差がさらに開きやすくなります。融資を使う買主が出せる価格は下がる方向に動く一方、現金の買主の価格の考え方は、金利の影響を比較的受けにくいためです。旧耐震・築古の物件では、両者の提示額が思ったより近くなることも少なくありません。

売主が確かめておきたいこと

旧耐震・築古の物件を売る前に確かめたいことの一覧。建築確認の時期と耐震診断・補強工事の有無、検査済証や図面、レントロールと修繕の履歴、残債と売却した場合の手取りの見込み。
  1. 建築確認を受けた時期と、耐震診断や補強工事の有無
  2. 検査済証や図面など、建物の来歴が分かる書類
  3. レントロール(家賃明細表)と、直近の修繕の履歴
  4. 残債(ローンの残り)と、売却した場合の手取りの見込み

仲介で個人の買主を探すなら、融資の見通しを早めに確かめてもらうことが大切です。並行して買取の査定も取っておくと、融資が付かなかった場合の次の手を用意できます。

よくある質問

耐震補強をすれば、融資は付きやすくなりますか

付きやすくなる場合もありますが、補強の費用が価格にそのまま戻るとは限りません。補強にかかる費用と期間、売却の時期を並べて判断するのが現実的です。

金利が下がるまで、売却を待つべきですか

金利の先行きは断定できません。待つ間の空室や修繕の負担と、ご自身の返済の余力で考えるほうが確実でしょう。

現金で買う買主に売ると、価格は安くなりますか

融資を使う買主より高い利回りを求めることが多いため、価格は控えめに出る傾向があります。一方で、契約が白紙に戻る心配が小さく、待つ間の負担も抑えられます。価格だけでなく、手取りと時期をあわせて比べるのがよいでしょう。

旧耐震・築古の物件のご相談

ITTOAは、旧耐震や再建築不可を含む訳あり物件も自社で買い取っています。融資の審査を待つ必要がないため、価格と時期の見通しを立てやすいのが特徴です。査定は無料です。詳しくは旧耐震・再建築不可の物件のページをご覧ください。

参考にした情報

本記事は一般的な情報の提供を目的としたものです。個別の物件については状況によって判断が変わりますので、具体的な相談はお問い合わせフォームまたはお電話でお寄せください。

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