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金利・返済

管理委託料・保険料の見直しで、返済の増加をどこまで吸収できるか

管理委託料・保険料の見直しで、返済の増加をどこまで吸収できるかのイメージ

金利上昇で増えた返済を、管理委託料や火災保険料の見直しで補えるかを試算しました。借入4,000万円・残り20年なら、金利0.5%分の増加は経費の見直しでほぼ埋められる一方、1%分になると半分程度にとどまります。見直せる経費と見直しにくい経費の分け方も示します。

結論

経費の見直しで吸収できるのは、金利の小さな上昇分までと考えるのが現実的です。削ってはいけない修繕や入居対応まで削ると空室が増えるため、見直しで足りない分は家賃・借入・売却を含めて検討します。

金利が上がって返済額が増えたとき、まず手を付けやすいのが経費の見直しです。管理委託料、火災保険料、共用部の電気代などは、オーナーの判断で変えられる部分があります。

ただし、経費の見直しで吸収できるのは、金利の小さな上昇分までというケースが多いと言えます。借入4,000万円・残り20年の試算では、金利0.5%分の増加はほぼ埋められますが、1%分になると半分程度にとどまりました。どこまで削れるかを先に数字にしておくと、次の手を考えやすくなります。

見直せる経費と、見直しにくい経費

経費は大きく3つに分けて考えると、手を付ける順番が見えてきます。

区分 主な項目 考え方
見直せる 管理委託料、火災保険料の補償内容、共用部の電気代、使っていない契約 条件の交渉や契約の整理で下げられる余地がある
慎重に見直す 清掃の回数、入居募集の広告費、定期点検 削ると入居の決まり方や建物の傷みに影響する
見直しにくい 固定資産税・都市計画税、法定の点検、雨漏りなど必要な修繕 金額を自分で決められない、または先送りすると後で高くつく

固定資産税は、税額そのものを交渉で下げることはできません。課税明細の内容に疑問がある場合は、市区町村の窓口で確認することになります。

項目ごとの見直し方

管理委託料

管理委託料は、集金した家賃に対する割合で決めている契約が多く見られます。割合を下げる交渉のほか、入居募集や更新の手数料が別にかかっていないかも確認しましょう。料率だけを下げても、募集の力が落ちて空室が長引けば逆効果です。管理会社を変えるかどうかは、手間と効果を比べて決める必要があります。

火災保険料

建物の規模や立地に対して、補償の範囲が広すぎないかを確認します。複数の保険で同じ補償が重なっていないか、使う見込みの少ない特約が付いていないかが見直しの中心です。水災の補償などは、ハザードマップで立地のリスクを確かめたうえで判断することをおすすめします。

共用部の電気代・その他の契約

共用廊下や外灯の照明をLEDに替える、使っていない防犯カメラや通信回線の契約を解約するといった見直しです。工事費がかかるものは、何年で元が取れるかも計算しておきましょう。

試算:金利上昇分と、見直しの効果を並べる

例えば、次の前提で比べてみます。試算の前提は、借入の残り4,000万円・残り20年・元利均等返済(毎月の返済額が一定の返し方)、実際に入ってくる家賃が年650万円です。経費の金額は説明のための仮定です。

返済の増加 年間返済額 増加額(年)
金利2.0%のとき 約243万円 −
金利2.5%になった場合 約254万円 約11.5万円
金利3.0%になった場合 約266万円 約23.4万円
経費の見直し(仮定) 見直し前 見直し後 削減額(年)
管理委託料(家賃の5%→4%) 32.5万円 26万円 6.5万円
火災保険料(補償の重複を整理) 12万円 10万円 2万円
共用部の電気代(LED化) 6万円 4万円 2万円
使っていない契約の解約 1万円 0円 1万円
合計 − − 11.5万円

なお、変動金利の場合、金利が見直されてから実際の返済額に反映されるまでの時期や方法は、契約によって違います。返済額がまだ変わっていなくても、元金と利息の割合が変わっていることがあるため、返済予定表で確認しておくと安心です。

この前提では、金利が0.5%上がった分はほぼ埋められます。一方、1%上がった場合の増加額23.4万円に対しては、半分程度しか吸収できません。LED化の工事費など、最初にかかる費用もあります。

見直しで足りないときの判断基準

経費を見直しても返済の増加を埋めきれない場合、次の順で考えると判断しやすくなります。

  1. 見直し後の手残りを、1年分の表にして確かめる(手残りを1枚の表にする方法)
  2. 返済比率(年間返済額÷年間家賃収入)がどこまで上がるかを見る(返済比率の計算方法)
  3. 家賃の見直し、借入条件の相談、売却のそれぞれで、数年後の手元資金を比べる

削ってはいけないのは、雨漏りの修理や、退去後の最低限の原状回復、入居者からの不具合の連絡への対応です。ここを削ると空室が増え、見直しの効果以上に家賃収入が減ることがあります。

よくある質問

管理委託料を下げると、管理の質は落ちますか

必ず落ちるわけではありませんが、料率を下げる代わりに対応範囲が狭くなる契約もあります。何が含まれていて、何が別料金になるのかを確認してから判断しましょう。

見直しは、売却を考えている場合でもやる意味がありますか

売却までの期間の手残りが増えるほか、収益還元法(家賃収入から価格を逆算する方法)で評価される物件では、経費が下がることが価格の面でもプラスに働くことがあります。ただし、売却直前の極端な削減は、買主に確認されると説明が必要になります。

見直しの効果は、どのくらい続きますか

管理委託料や保険料の見直しは、一度行えば毎年効果が続く点が強みです。一方、清掃の回数を減らすといった見直しは、数年たってから建物の傷みや入居者の不満として表れることがあります。1年だけの効果ではなく、数年単位で見て判断するのがよいでしょう。

経費の見直しと並べて、今の売却価格を1つ知っておくと、持ち続ける場合との比較がしやすくなります。当社の査定は無料で、売却を決めていない段階でもご相談いただけます。

本記事は一般的な情報の提供を目的としたものです。個別の物件については状況によって判断が変わりますので、具体的な相談はお問い合わせフォームまたはお電話でお寄せください。

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