
長期金利の上昇は、固定金利の借入にどう影響するか。今の借入と買主の借入の違い
長期金利が上がっても、すでに固定金利で借りている分の返済は、固定期間中は基本的に変わりません。影響が出るのは固定期間が終わるときと、これから固定金利で借りる買主の側です。2026年9月時点の金利を踏まえ、それぞれの影響を試算で示し、確認しておきたい点をまとめました。
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担保評価が残債を下回る「評価割れ」になると、借り換えで残債の全額を借りられない、修繕などの追加融資を断られる、といったことが起きやすくなります。金融機関の積算評価と収益評価の考え方、評価が下がる理由、評価割れの大きさの測り方と、そのときに取れる5つの手を示します。
担保評価が残債を下回ると、借り換えでは差額の自己資金や追加の担保を求められ、追加融資も受けにくくなります。評価割れの大きさを試算したうえで、差額を入れる、条件を相談する、収益を改善する、売却するといった手を並べて比べるのが現実的です。
担保評価(金融機関が、貸したお金を回収できるかを判断するために出す物件の評価額)が下がり、残債(ローンの残り)を下回る状態を「評価割れ」と呼びます。評価割れになると、借り換えで残債の全額を借りられない、修繕などの追加融資を断られる、といったことが起きやすくなります。
そのときに取れる手は、差額の自己資金を入れる、別の担保を加える、今の金融機関と返済条件を相談する、収益を改善する、売却して残債を返す、の大きく5つです。まず評価割れがどれくらいの大きさかを試算してから、どの手が現実的かを比べるとよいでしょう。
金融機関の担保評価には、主に2つの考え方があります。
どちらを重く見るか、評価額のうちどこまでを貸せる金額とみなすかは、金融機関によって違います。担保評価は市場で売れる価格とは別のもので、同じ物件でも金融機関ごとに差が出ることは珍しくありません。それぞれの計算の中身は積算評価の記事でも触れています。
| 理由 | 積算評価への影響 | 収益評価への影響 |
|---|---|---|
| 築年数の経過 | 建物の評価が年々減り、古い建物はほぼ土地の値だけになる | 修繕費がかさむと見られ、純収益が低く置かれる |
| 空室の増加や家賃の下落 | 直接は変わりにくい | 純収益が減り、評価が下がる |
| 地価の下落 | 土地の評価が下がる | 地域の需要が弱いと見られることがある |
| 金利の上昇 | 直接は変わらない | 還元利回りを高めに置けば評価が下がる(金融機関の判断による) |
| 建物の不具合や法令上の問題 | 評価の対象外や減額になることがある | 修繕費を見込んで純収益が下がる |
築年数が進んだ地方のアパートでは、建物の評価が小さくなり、土地の評価も大きくない、というケースがよくあります。家賃収入が保たれていても、積算評価を重く見る金融機関では評価割れになりやすいと言えます。
借り換えでは、新しい金融機関が改めて担保を評価します。貸せる金額が残債に届かなければ、差額を自己資金で埋めない限り借り換えは成立しません。建物の残りの耐用年数を理由に返済期間が短くなり、金利が下がっても年間の返済額はかえって増える、ということも起こり得ます。
追加融資では、今の物件に担保としての余力がないため、修繕資金などを借りにくくなります。別の不動産を担保に加える、保証人を求められる、といった条件が付くこともあるでしょう。
一方で、契約どおりに返済を続けていれば、評価が下がったことだけで今の借入の条件がすぐに変わるわけではありません。ただし、条件の変更や借入の更新を申し込むときには、そのときの評価で判断されます。
試算の前提は、残債5,000万円の築古アパートです。積算評価は土地2,500万円と建物500万円で3,000万円、収益評価は純収益320万円を還元利回り8%で割った4,000万円とします。貸せる金額は評価額の8割と仮に置いています。いずれも説明のための数字です。
| 評価の方法 | 評価額 | 貸せる金額(8割と仮定) | 残債との差 |
|---|---|---|---|
| 積算評価 | 3,000万円 | 2,400万円 | 2,600万円不足 |
| 収益評価 | 4,000万円 | 3,200万円 | 1,800万円不足 |
この例では、借り換えるために1,800〜2,600万円の自己資金か、追加の担保が必要になります。差額がここまで大きいと、借り換えは現実的でない場合が多いでしょう。借り換えと売却のどちらを先に検討するかは借り換えと売却の比べ方の記事で詳しく扱っています。
| 取れる手 | 向いている場合 | 注意点 |
|---|---|---|
| 差額を自己資金で入れて借り換える | 差額が小さく、手元資金に余裕がある | 手元資金が減り、空室や故障に備えにくくなる |
| 別の不動産を担保に加える | ほかに借入のない不動産がある | その不動産も売りにくくなる |
| 今の金融機関に返済条件を相談する | 返済は続けられるが、毎月の負担を下げたい | 返済期間を延ばすと総返済額は増える |
| 空室を埋めて収益を戻す | 需要があり、入居付けの費用を回収できる | 時間と費用がかかり、積算評価は変わりにくい |
| 売却して残債を返す | 持ち続けても収支の改善が見込めない | 売却価格が残債に届かなければ差額が必要 |
売却価格は担保評価とは別に、買主の収支の見込みや再生の費用から決まります。担保評価より高く売れることも、低くなることもあるため、評価割れの試算と並べて査定額を確かめておくと判断しやすくなります。金融機関への相談の時期は金融機関に相談するタイミングの記事を参考にしてください。
内部の評価額そのものは開示されないことが多いです。借り換えや追加融資の相談で示される「貸せる金額」や条件から、おおよその評価を推し量ることになります。
必ずしも一致しません。融資を使う買主は担保評価の影響を受けますが、現金で買う買主や買取業者は、自社の収支の見込みで価格を決めます。
ITTOAは地方の収益物件を自社で買い取っています。担保評価が低くなった築古の物件も査定の対象です。査定は無料で、残債との比較の段階からご相談いただけます。

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