
建築費の高騰は、中古の収益物件の価値にどう影響するか。支える面と押し下げる面
新築の建築費が上がると、中古の収益物件は相対的に見直されやすくなります。一方で、修繕や改装の費用も同じように上がっているため、価値が上がるとは限りません。2026年時点の公的な統計を踏まえ、プラスに働く場面と差し引かれる場面を計算例で比べました。
続きを読む
収益還元法が「いくら稼ぐか」なら、積算評価は「資産としていくらか」。査定書のもう一方の柱を、計算の中身から読み解きます。
査定書には、収益還元法による価格と並んで「積算価格」が載っていることがあります。同じ物件なのに金額が違うため、どちらを見ればよいのか迷われる方が多いところです。
2つは、測っているものが違います。収益還元法は「その物件がいくら稼ぐか」、積算評価は「資産としていくらの裏付けがあるか」です。
積算価格 = 土地評価額 + 建物評価額
土地と建物を別々に評価して足し上げます。順に見ていきます。
路線価や公示地価などをもとに、面積を乗じて求めます。形が悪い、間口が狭い、接道が弱いといった条件は、補正として反映されます。
建物が古くなるほど、この土地部分が積算価格のほとんどを占めるようになります。築古物件の価格は、実質的に土地値で決まると言われるのはこのためです。
建物評価額 = 再調達価格 × 延床面積 ×(残存年数 ÷ 法定耐用年数)
再調達価格は「今もう一度同じ建物を建てるといくらか」の目安です。そこに、築年数による目減りを掛けます。法定耐用年数は構造で決まっています。
| 構造 | 法定耐用年数 |
|---|---|
| 木造 | 22年 |
| 軽量鉄骨造 | 19〜27年 |
| 重量鉄骨造 | 34年 |
| レンガ・コンクリートブロック造 | 38年 |
| RC造・SRC造 | 47年 |
木造アパートなら22年を過ぎると、この式の上では建物評価がほぼ残りません。実際にはまだ十分使える建物でも、積算上はゼロに近づきます。
この考え方が、金融機関の担保評価に近いためです。積算価格が高い物件は融資が付きやすく、買える人の母数が増えます。母数が増えれば、売るときに有利になります。
逆に、収益還元法では価格が出るのに積算が低い物件は、「利回りは良いが融資が付きにくい」状態になりがちです。地方の築古一棟物件で起きやすいパターンです。
| 状態 | 読み方 |
|---|---|
| 収益還元 > 積算 | 稼ぐ力はあるが資産の裏付けが薄い。買主が限られやすい |
| 収益還元 < 積算 | 土地の価値が大きい。運用の改善余地や、用途転換の余地を見る |
| 両方とも低い | 立地と収支の両面から、売却の判断を早めに |
どちらか一方だけを見ると判断を誤ります。当社では、この2つに取引事例比較法を加えた3つを組み合わせ、それぞれの根拠を明示したうえで価格をご提示しています。
法定耐用年数は税務・評価上の区切りであって、建物の寿命ではありません。実際、当社が買い取る物件の多くは耐用年数を超えています。
当社は融資を前提としない自己資金での買取のため、積算評価が低いことがそのまま買取不可にはなりません。土地の価値と現況の収支、再生後の実力を組み合わせて評価します。
評価の手法は査定方法のページで公開しています。他社の査定書と見比べたい場合も、お気軽にご相談ください。

新築の建築費が上がると、中古の収益物件は相対的に見直されやすくなります。一方で、修繕や改装の費用も同じように上がっているため、価値が上がるとは限りません。2026年時点の公的な統計を踏まえ、プラスに働く場面と差し引かれる場面を計算例で比べました。
続きを読む
買取価格が仲介の想定価格より低くなるのは、業者が再生後の売値から修繕費・諸経費・想定外への備え・利益を差し引いて価格を出すためです。差し引かれている項目を1つずつ分解し、売主の資料や情報で小さくできる部分がどこかを試算例とあわせて示します。
続きを読む
写真だけで査定を受けるとき、評価を下げる原因になりやすいのは建物の傷みよりも「写っていない場所」です。外観・屋根・共用部・設備・室内・周辺の6か所をどう撮るか、傷んだ箇所を隠さず撮る理由、管理会社に撮影を頼むときの伝え方、写真の送り方まで、チェック表とあわせて確認できます。
続きを読む売却するべきか迷っている段階の
ご相談も歓迎しています。
秘密は厳守します。