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空室・運用

売却を決めたら、入居募集は止めるべきか。買主の種類で変わる答え

売却を決めたら、入居募集は止めるべきか。買主の種類で変わる答えのイメージ

売却を決めた物件の入居募集を続けるか止めるかは、誰に売るかで答えが変わります。家賃収入を見る投資家なら募集を続けるのが基本、建て替えや自分で使う買主なら新しい入居は妨げになりえます。買主の種類ごとの比較表と、1戸埋めると価格にどう効くかの計算例、止める前に確認したいことを示します。

結論

家賃収入で価格を考える投資家に売るなら募集は続け、建て替えや更地で使う買主に売るなら新しい入居は控えるのが基本です。買取会社に売る場合は再生の計画によって違うため、募集を止める前に査定の段階で方針を確かめておくと、無駄な費用や手間を避けられます。

売却を決めた物件の入居募集を続けるか止めるかは、どんな買主に売るかで答えが変わります。家賃収入を見て買う投資家なら、募集は続けるのが基本です。建て替えや更地にして使う買主なら、新しい入居はむしろ妨げになることがあります。

迷ったまま募集を止めてしまうと、空室が増えて価格が下がり、結局売れる相手も変わらない、ということも起こりえます。まず売り先の見通しを立ててから決めるのが安全です。

買主の種類で、満室と空室の評価は逆になる

収益物件の買主は、大きく分けると次の3つです。それぞれ、物件のどこに価値を見ているかが違います。

買主の種類 有利になりやすい状態 理由
家賃収入を目的とする投資家 入居が多い状態 家賃収入から価格を計算し、融資の審査でも収支を見られるため
建て替え・更地にして使う買主、自分で住む・使う買主 空室が多い、または全空の状態 入居者がいると、退去の話し合いや時間が必要になるため
買取会社 再生の計画による そのまま賃貸を続けるか、改装・建て替えをするかで見方が変わるため

投資家向けに入居中のまま売る方法は、オーナーチェンジでの売却で紹介しています。入居者との契約はそのまま買主に引き継がれるため、売主が退去をお願いする必要はありません。

建て替え・更地向けの買主に、新しい入居が妨げになる理由

普通の賃貸借契約(期間が終わっても原則として更新される契約)で住んでいる入居者は、法律で強く守られています。貸主の都合で退去をお願いする場合、話し合いに時間がかかったり、立ち退きの費用が必要になったりすることがあります。

建て替えや更地を前提とする買主は、こうした時間と費用を見込んで価格を考えます。売却の直前に新しい入居者を入れると、買主が見込む負担が増え、かえって価格が下がる可能性があるわけです。個別の退去交渉の進め方や法的な扱いは、弁護士への確認が必要です。

築年数が進み、建物より土地としての価値で見られる物件ほど、この傾向は強くなります。旧耐震の木造アパートなどは、買主が建て替えを前提にすることが少なくありません。

募集を続ける場合の計算:1戸埋めると価格にどう効くか

投資家や、賃貸を続ける買取会社に売る場合を考えます。1戸埋まることの価値は、収益還元法(家賃収入を利回りで割って価格を出す方法)で考えるとつかみやすくなります。

空室を1戸埋めたときの価格への効果の計算式の図。増える年間家賃を、買主が求める利回りで割る。家賃月4万円の部屋を埋め、利回り10%で評価する例では、48万円÷10%で計算上480万円になる。

試算の前提は、家賃月4万円の部屋を1戸埋め、買主が利回り10%で評価する場合です。年間家賃は48万円増え、48万円÷10%で、価格への効果は計算上480万円になります。

ただし、実際にはここまで単純ではありません。埋めるまでに広告料や原状回復の費用がかかりますし、入居直後の部屋は「家賃が続くか分からない」と見られることもあります。家賃を大きく下げて埋めた場合は、かえって評価を下げる原因になります。

例えば、同じ部屋を月4万円ではなく月3万5,000円で埋めたとします。その部屋だけでなく、他の部屋の家賃も下がるのではないかと見られると、物件全体の評価に響きかねません。売却を控えた時期の募集では、家賃を守れる範囲で埋まるかどうかを基準にするとよいでしょう。

募集を続けるときの費用 確認したいこと
広告料・仲介会社への手数料 家賃の何ヶ月分を払う条件か
原状回復・簡単な改装 売却までに回収できる金額か
フリーレント(入居後しばらく家賃を無料にする条件) 買主に引き継ぐ期間が残らないか

止めるか続けるかを決める手順

売却を決めた物件の入居募集を続けるかの判断の分かれ道の図。査定で確かめた買主が賃貸を続ける前提なら、家賃を下げずに埋まる見込みがあるかを確かめて募集を続ける。建て替え前提なら、新しい普通借家の契約は控える。
  1. 査定を受け、想定される買主の種類と、そのまま賃貸を続ける前提か建て替え前提かを確かめる
  2. 賃貸を続ける前提なら、家賃を下げずに埋められる見込みがあるかを管理会社に確認する
  3. 建て替え前提なら、新しい普通借家の契約は控え、今の入居者の契約期間を一覧にしておく
  4. どちらか決めきれない間は、募集条件を変えずに様子を見る

中間的な方法として、定期借家契約(期間が来たら更新せずに終わる契約)で募集する手もあります。期間が決まっている分、建て替えを考える買主にも受け入れられやすくなります。一方で、入居希望者が減ることもあります。仕組みは定期借家契約の物件の評価をご覧ください。

よくある質問

募集を止めたことを、管理会社にはどう伝えればよいですか。

売却を検討していることと、新しい契約を控える理由を伝えるのが一般的です。止める期間の見通しや、問い合わせがあったときの対応も決めておくと、行き違いが起きにくくなります。

全空にしてから売るほうが高くなりますか。

建て替えや更地を考える買主には好まれやすい一方、家賃収入で考える投資家には評価されにくくなります。今の入居者に退去をお願いするのは負担も大きいため、全空を目指すかどうかは査定の結果を見てから考えるのがよいでしょう。考え方は全空のアパートを満室にしてから売るべきかでもまとめています。

募集を止める前に、売り先を確かめる

入居募集を続けるか止めるかは、売却の方針が見えてから決めても遅くありません。先に止めると、空室の期間がそのまま収入の減少になります。

ITTOAは、入居中の物件も全空の物件も自社で買い取っています。査定は無料で、募集を続けるか迷っている段階でもご相談いただけます。買取なら買主を探す期間がないため、募集を止めてから売れるまでの空室期間を短くしやすいのも特徴です。

本記事は一般的な情報の提供を目的としたものです。個別の物件については状況によって判断が変わりますので、具体的な相談はお問い合わせフォームまたはお電話でお寄せください。

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