
家賃保証会社の利用状況は、賃貸物件の売却評価にどう効くのか
家賃保証会社を使っている部屋が多いほど、買主は滞納で家賃が入らないリスクを小さく見積もれ、収支が読みやすくなります。ただし評価を左右するのは利用の有無より、保証の範囲や所有者が変わったときに引き継げるかです。買主が確認する項目と、保証のない部屋が多い場合の備え方を示します。
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2023年の住宅・土地統計調査で、空き家は900万2千戸、そのうち約半分の443万6千戸が賃貸用の空き家でした。この数字が地方の賃貸オーナーにとって何を意味するのか、全国の平均を自分の物件に当てはめずに、競合の中での立ち位置を確かめる見方と、判断の分かれ目を示します。
空き家の半分近くが賃貸用という数字は、借り手を物件どうしで取り合う状況を示しています。ただし全国の平均で自分の物件は測れません。近隣の競合の中で選ばれる側かどうかを確かめ、差を埋める費用が回収できるかで、持つか売るかを考えるのが現実的です。
総務省の住宅・土地統計調査によると、2023年10月1日時点の空き家は900万2千戸で、過去最多でした。そのうち約半分の443万6千戸が「賃貸用の空き家」です。
この数字が示しているのは、借り手を物件どうしで取り合う状況だということです。ただし全国の合計や平均は、あなたの物件が埋まるかどうかを示すものではありません。見るべきは、近くの競合の中で自分の物件がどこに立っているかです。
同じ調査で、総住宅数に占める空き家の割合(空き家率)は13.8%と、こちらも過去最高でした。空き家と聞くと、人が住まなくなった古い家を思い浮かべるかもしれません。
しかし、統計の「賃貸用の空き家」は、賃貸に出すために空いている住宅のことです。アパートやマンションで入居者を募集している空室も、ここに含まれます。つまり、空き家の約半分は「借り手を待っている部屋」と言い換えられます。
一方で、この数字には地域差や物件ごとの差が表れていません。駅に近い物件が満室でも、郊外の古い物件に空室が集中していれば、合計は同じように大きくなります。数字を見て不安になるより、自分の物件がどちら側にあるかを確かめるほうが役に立つでしょう。
賃貸用の空室が生まれる流れも押さえておきたいところです。新しい物件が建つ一方で、地域によっては借りる人の数が増えていません。借り手は条件のよい物件へ移りやすく、空きは古い物件や条件で劣る物件から出ていきます。空き家の多さは、こうした入れ替わりの結果とも言えます。
借り手が物件を選べる状況では、同じ地域の中でも「選ばれる物件」と「選ばれにくい物件」の差が広がりやすくなります。次の表で、自分の物件がどちらに近いかを見てみてください。
| 見る点 | 選ばれやすい側 | 選ばれにくい側 |
|---|---|---|
| 需要の担い手 | 近くに勤め先・学校・病院など、借りる理由がある | 借りる人が特定の工場や学校だけに頼っている |
| 家賃と広さ | 近隣の同じ広さの募集と比べて、家賃に納得感がある | 近隣より高い、または広さの割に割高 |
| 設備・間取り | 地域で求められる設備(駐車場、独立洗面台など)がある | 和室中心、3点ユニットなど、競合より古い仕様 |
| 空室の期間 | 退去後、次の繁忙期までに埋まっている | 繁忙期を越えても埋まらない部屋がある |
| 管理の状態 | 共用部が清潔で、募集写真の印象がよい | 共用部の傷みや放置物が目立つ |
近隣の募集件数や募集期間の調べ方は、賃貸需要の調べ方でまとめています。ポータルサイトで同じ条件の部屋を検索するだけでも、競合の厚さはつかめます。
選ばれにくい側に近い場合でも、すぐに手放す必要があるわけではありません。考えたいのは、差を埋める手があるか、そしてその費用を家賃で回収できるかです。
費用をかけても家賃が上がらず、空室期間も縮まらないなら、その投資は回収しにくいと言えます。立地に関わる差は、建物にお金をかけても埋まりません。人口の動きと合わせた判断の時期については、人口が減っているエリアの物件を、いつ判断するかも参考になります。
立ち位置を確かめたうえで、次のように考えを分けると判断しやすくなります。
| 状態 | 考えたいこと |
|---|---|
| 選ばれる側で、手残りもある | 管理の質を保ちながら保有を続ける。数年ごとに立ち位置を見直す |
| 選ばれにくいが、安い費用で差を埋められる | 手を打ったうえで、1〜2回の繁忙期の結果を見て判断する |
| 差を埋めるのに大きな費用がかかる | 工事して持つ場合と、直さずに売る場合の手取りを比べる |
| 立地の需要自体が細っている | 建物にお金をかける前に、売却の価格を確かめる |
「差を埋める費用が回収できるか」は、簡単な計算で確かめられます。試算の前提は、空室4戸の水回りを1戸100万円で更新し、家賃を1戸あたり月5,000円上げられる場合です。
工事費は合計400万円、家賃の増加は4戸で年24万円です。空室がすべて埋まったとしても、工事費を取り戻すまでに約17年かかる計算になります。築年数が進んだ物件では、その間に別の修繕も必要になるでしょう。こうした場合は、工事をせずに売った場合の手取りと並べて比べる意味があります。
地域の平均が高くても、個々の物件が売れないわけではありません。買主は物件ごとの家賃や状態、再生にかかる費用を見て価格を考えます。平均の数字だけで判断せず、物件の価格を確かめるのが先です。
統計の数字だけでは言い切れません。家賃は地域の需要と、競合する物件の家賃や状態で決まります。自分の物件の周りで、同じ条件の募集家賃がどう動いているかを見るのが確実です。
大きな統計の数字は、状況の方向を知る材料にはなりますが、あなたの物件の答えではありません。近隣の競合と自分の物件を比べ、手を打つか売るかを数字で考えることが大切です。
ITTOAでは、空室が多い物件や全空の物件も自社で買い取っています。全空・老朽化した物件のご相談も、査定は無料で承っています。

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