
複数の物件を持っているとき、金利上昇期にどれから売るかの決め方
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物件を売ると、決済の日に借入を一括で返します。このとき固定金利の期間中だと、事務手数料とは別に違約金に近い清算金がかかる場合があり、手取りが想定より減ることがあります。契約書のどこを読み、金融機関に何を聞けばよいか、手取りの計算にどう入れるかを試算例で示します。
一括返済の手数料は、金利タイプと契約の条項で大きく変わり、固定金利の期間中は高くなる場合があります。売却を考え始めたら、決済予定日で全額返した場合の金額を金融機関に書面で出してもらい、手取りの計算に入れておくのが確実です。
借入が残っている物件を売ると、決済の日に売却代金で借入を一括返済するのが一般的です。このとき一括返済の手数料がかかり、売却の手取りから差し引かれます。
変動金利なら数万円程度の事務手数料で済む契約もありますが、固定金利の期間中は、違約金に近い清算金が別にかかる場合があります。金額が大きくなることもあるため、売却価格を考える前に確認しておきたい項目です。
一括返済のときに差し引かれるお金は、手数料だけではありません。主なものを並べると次のとおりです。どの項目があるか、どう計算するかは金融機関と契約によって違います。
| 費用 | 中身 | 金額の決まり方 |
|---|---|---|
| 事務手数料 | 返済の手続きにかかる手数料 | 定額が多い |
| 期限前弁済の清算金 | 固定金利の期間中に返す場合の、金融機関の損失の穴埋め | 残債に対する割合や、金利の差から計算する方式など |
| 日割りの利息 | 前回の返済日から決済日までの利息 | 残債と金利と日数 |
| 抵当権の抹消費用 | 担保を外す登記の費用と司法書士の報酬 | 物件の数や依頼先で変わる |
期限前弁済(約束の期日より前に返すこと)の清算金は、金融機関が固定金利で資金を用意していたことに関係します。途中で返されると、その資金の運用で損失が出ることがあり、その分を借り手が負担する仕組みです。
アパートローンや事業性の借入では、住宅ローンより手数料の条項が厳しい契約も見られます。「固定期間中の全額返済は、残債の◯%」と決まっている場合や、市場の金利と契約金利の差から計算する場合があります。
後者の方式では、返済する時点の市場の金利によって金額が変わります。そのため、契約書を読んだだけでは金額が分からず、金融機関に計算してもらう必要があるでしょう。
また、1つの物件に複数の借入が付いている場合は、借入ごとに条項を確認します。購入時の借入と、後から組んだ修繕の借入で、金利タイプや手数料が違うことはよくあります。
一方、変動金利の借入や、固定期間が終わった後の借入は、定額の事務手数料だけで済む契約も少なくありません。固定期間がいつ終わるかは、売却の時期を考えるうえで一つの材料になります。
まずは手元の書類で当たりを付け、そのうえで金融機関に正確な金額を出してもらう順番が効率的です。
問い合わせの時点で、売却の予定をどこまで伝えるか迷う方もいるでしょう。金額の試算を依頼するだけなら、売却を決めていなくても相談できます。残債そのものの確認方法は残債を正確に確認する方法で触れています。
例えば、次の前提で手取りを計算してみます。売却価格は4,000万円、決済日の残債は3,000万円です。手数料などは仮の数字で、実際の金額は金融機関の回答で置き換えてください。
| 項目 | 固定期間中に売る | 固定期間の終了後に売る |
|---|---|---|
| 売却価格 | 4,000万円 | 4,000万円 |
| 残債の返済 | −3,000万円 | −3,000万円 |
| 期限前弁済の清算金(仮に残債の2%) | −60万円 | なし |
| 事務手数料・日割りの利息(仮) | −8万円 | −8万円 |
| 抵当権の抹消費用(仮) | −3万円 | −3万円 |
| その他の諸費用(仮) | −10万円 | −10万円 |
| 税引前の手取り | 919万円 | 979万円 |
この例では、清算金の有無で60万円の差が出ました。ただし、固定期間の終わりを待つ間にも返済の利息や固定資産税はかかり、空室や修繕で価格が変わる可能性もあります。待つことで減る手数料と、待つ間に出ていくお金を並べて比べるのが実務的な判断でしょう。
売却に伴う税金はこの表に含めていません。譲渡所得の扱いは人によって違うため、税理士に確認が必要です。
契約で決まっている以上、減額を前提に考えるのは難しいでしょう。ただ、計算方法や決済日による違いを確認することはできます。決済日を少しずらすだけで金額が変わる契約もあるため、日付を変えた試算を頼んでみる価値はあります。
借り換えも、元の借入を期日前に全額返す点では同じです。そのため、同じ条項が適用されるのが一般的です。借り換えと売却を比べる考え方は借り換えと売却、どちらを先に検討するかが参考になります。
一括返済の費用は、売却価格の交渉では動かせない、売主側の固定費です。査定額と並べて早めに把握しておくと、売る時期や価格の下限を落ち着いて決められます。
ITTOAの買取では仲介手数料はかかりません。借入が残っている物件でも、決済日の返済を含めた流れをご説明しながら査定を進めています。

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