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金利・返済

修繕費を借入でまかなう前に考えること。金利が上がる局面での比べ方

修繕費を借入でまかなう前に考えること。金利が上がる局面での比べ方のイメージ

金利が上がる局面で修繕を借入でまかなうと、修繕の効果が出る前から返済が始まり、変動金利なら返済額が後から増えることもあります。1,000万円を10年で借りた場合の試算と、借りる前に確かめたい3つの数字、修繕して持つか直さずに売るかの比べ方を示します。

結論

修繕の借入は、修繕で増える手取りが増える返済を上回るか、回収までに売る可能性がないかを確かめてから決めるのが基本です。上回らない場合や数年以内に売る可能性がある場合は、直さずに売る選択肢も並べて比べると判断を誤りにくくなります。

修繕費を借入でまかなうかどうかは、「修繕で増える手取り」が「借入で増える返済」を上回るかで判断するのが基本です。金利が上がる局面では、この比較が以前より厳しくなります。修繕の効果が出る前から返済が始まり、変動金利なら返済額が後から増えることもあるためです。

上回らない場合や、数年以内に売る可能性がある場合は、直さずに売る選択肢も並べて比べると判断を誤りにくくなるでしょう。

金利が上がる局面で、修繕の借入の何が重くなるか

日本銀行は2026年6月16日に政策金利を1.0%程度へ引き上げ、経済・物価の情勢に応じて引き続き引き上げていく方針を示しています(2026年9月時点)。これを受けて、都市銀行の短期プライムレート(銀行が優良企業に貸すときの短期の基準金利)の最頻値は、2026年8月3日に2.375%になりました。2024年8月までは長く1.475%だった値です。

短期プライムレートに連動する借入では、金利の見直しが返済に届くまでに時間差があります。すべての借入が連動しているわけではないため、自分の契約の金利の決まり方を確認することが出発点です。

修繕の借入で重くなりやすいのは、次の3点です。

  • 利息そのもの:変動金利なら、借りた後に金利が上がると返済が増える可能性がある
  • 既存の返済との合計:物件のローンに上乗せされ、返済比率(年間返済額÷年間家賃収入)が上がる
  • 返済期間:建物の古さなどを理由に長い期間を取れないと、年間の返済額が大きくなる

工事費自体も上がっています。消費者物価指数の「設備修繕・維持」は、2026年7月に前年同月比4.1%の上昇でした。見積もりを取った時期によっては、金額が変わっている可能性もあります。

借りる前に確かめたい3つの数字

  1. 修繕で増える、または守られる年間の手取り:空室が埋まる、家賃を下げずに済む、退去を防げる、といった効果を金額にする
  2. 借入で増える年間の返済額:金利が今より上がった場合の返済額も一緒に計算しておく
  3. 回収にかかる年数と、その間に売る可能性:回収前に売ると、修繕費が価格に上乗せされるとは限らない

ただし、雨漏りや外壁の落下のおそれなど、安全や建物の維持に関わる修繕は、持ち続ける限り避けられません。「やるかやらないか」ではなく「持ち続けるならやる必要がある」修繕かどうかを、最初に分けて考えることが大切です。

試算:1,000万円の修繕を10年で借りた場合

試算の前提は、借入額1,000万円、返済期間10年、元利均等返済(毎月の返済額が一定になる返し方)です。金利は比較のために年2.5%と年3.5%の2通りを仮に置いています。実際の金利は金融機関と契約によって違います。

金利(仮定) 毎月の返済 年間の返済 10年間の利息の合計
年2.5% 約9万4,300円 約113万円 約131万円
年3.5% 約9万8,900円 約119万円 約187万円

金利が1%違うと、10年間の利息は約56万円増えます。一方で、年間の返済は約113〜119万円です。例えば修繕で空室が2戸埋まり、年間の手取りが60万円増える見込みだとしても、返済のほうが大きく、10年間は手元の資金が減り続けます。

この場合、修繕の意味は「手取りを増やす」より「建物の価値と入居を守る」ことにあります。10年以上持つ予定で、需要が見込める立地なら筋が通りますが、途中で売る可能性が高いなら慎重に考えたいところです。

金利を年3.5%で借りた後にさらに金利が上がる場合も、同じ表に1行足して確かめておくと安心です。変動金利の借入では、返済額が変わらなくても利息の割合が増え、元金の減りが遅くなることがあります。

修繕して持つか、直さずに売るか

比べる点 修繕して持ち続ける 直さずに売る
手元の資金 修繕の返済が加わる 修繕費はかからない
金利の影響 変動金利なら返済が増える可能性がある 借入を返せば影響はなくなる
価格への反映 修繕費がそのまま価格に乗るとは限らない 直す費用を差し引いた価格になりやすい
向いている場合 長く持つ予定で、返済比率に余裕がある 数年以内に売る可能性がある、返済比率が高い

空室が多い物件では、修繕と入居付けのどちらに資金を使うかという問題も重なります。考え方は空室と金利上昇が重なったときの記事、大規模な工事を控えている場合は大規模修繕を控えた物件の記事も参考になります。

よくある質問

金利が上がる前に、早めに借りておくほうがよいですか

金利の先行きを正確に当てることはできません。借りる時期より、修繕が本当に必要か、今の収支で返済に耐えられるかを先に確かめるほうが確実と言えます。

手元の資金で払うのと、借りるのとではどちらがよいですか

手元の資金を使い切ると、急な設備の故障や空室に対応できなくなります。一部を自己資金、残りを借入にするなど、手元に余裕を残す組み合わせも検討の余地があります。

雨漏りなど、急ぎの修繕がある場合はどうしますか

放置すると被害が広がるため、応急の処置は先に行うのが一般的です。そのうえで、屋根や外壁の全面的な工事に進むかどうかを決める前に、売却した場合の価格と比べる時間を取るとよいでしょう。

見積もりが出た段階で、売却と並べてみる

ITTOAは修繕をしていない状態のまま、物件を自社で買い取っています。修繕の見積もりが手元にあれば、査定額と並べて「直して持つ」「直さずに売る」を数字で比べられます。査定は無料です。

参考にした情報

本記事は一般的な情報の提供を目的としたものです。個別の物件については状況によって判断が変わりますので、具体的な相談はお問い合わせフォームまたはお電話でお寄せください。

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