
建築費の高騰は、中古の収益物件の価値にどう影響するか。支える面と押し下げる面
新築の建築費が上がると、中古の収益物件は相対的に見直されやすくなります。一方で、修繕や改装の費用も同じように上がっているため、価値が上がるとは限りません。2026年時点の公的な統計を踏まえ、プラスに働く場面と差し引かれる場面を計算例で比べました。
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買取価格は相場の7〜8割とよく言われますが、地方の収益物件ではこの目安が当てはまらないことが多くあります。割合で考えにくい理由と、買取価格が「売れる価格から直す費用と期間の負担を引く」形で組み立てられる仕組み、売主が確認したい点をまとめました。
買取価格を「相場の何割」と一律に言うことはできません。地方の収益物件は相場そのものが定まりにくく、直す費用や空室の程度で差し引く額が物件ごとに変わるためです。割合ではなく、価格の根拠となる数字の中身で比べるのが確実です。
「買取だと相場の何割くらいになりますか」というご質問は、とても多くいただきます。一般には「7〜8割」と言われることがありますが、地方の収益物件では、この割合をそのまま当てはめることはできません。
理由は2つあります。1つは、比べる基準の「相場」自体がはっきりしないこと。もう1つは、買取価格が割合ではなく、物件ごとの費用とリスクを差し引く形で決まることです。この2点が分かると、提示された価格が妥当かどうかを自分で考えやすくなります。
割合で語るには、まず「相場」という基準が必要です。都市部の区分マンションのように似た物件の取引が多ければ、相場はある程度はっきりします。しかし地方の一棟アパートやビルは、同じ地域で似た物件が売買される回数が限られます。
そのため、仲介会社が示す「この価格なら売れそう」という金額にも幅があります。基準がぶれていれば、その何割かという数字もぶれてしまうでしょう。
さらに、同じ地域・同じ築年数でも、次のような違いで価格は大きく変わります。
こうした違いは「一律に何割」という考え方では表せません。
買取業者は、買い取った物件を直したり入居者を入れたりしたうえで、持ち続けるか、次の買主に売ります。そのため価格は、おおむね次の順番で組み立てられます。
| 順番 | 考えること | 主な根拠 |
|---|---|---|
| 1 | 手を入れた後に、いくらの価値になるか | 想定家賃と、その地域で求められる利回り(年間家賃÷物件価格) |
| 2 | そこまでにかかる費用 | 修繕・改装費、空室を埋める広告費など |
| 3 | 期間中の負担 | 固定資産税、保険料、借入の利息など |
| 4 | 見込みが外れる可能性 | 想定より家賃が下がる、工事費が増えるなど |
| 5 | 諸費用と利益 | 登記費用、取得時の税金、事業としての利益 |
1の価値から2〜5を差し引いたものが、買取価格の目安になります。この仕組みの詳しい考え方は買取価格は、どうやって決まっているのかでも紹介しています。
同じ「仲介なら3,000万円程度」と言われる物件でも、状態によって差し引く額は変わります。次の例は、考え方を示すための仮の数字です。

試算の前提は、どちらも地方の木造アパートで、手を入れた後の価値を3,000万円と置いたものです。諸費用と利益は、どちらも同じ額としています。
| 項目 | A:満室・修繕済み | B:半分空室・外壁と設備が未修繕 |
|---|---|---|
| 手を入れた後の価値 | 3,000万円 | 3,000万円 |
| 修繕・改装費 | 100万円 | 500万円 |
| 空室を埋めるまでの負担 | 0円 | 150万円 |
| 見込み違いへの備え | 100万円 | 250万円 |
| 諸費用と利益 | 400万円 | 400万円 |
| 買取価格の目安 | 2,400万円(8割) | 1,700万円(約5.7割) |
このように、差し引く額が物件ごとに違うため、結果として割合も変わります。「何割」は結果として出てくる数字であって、最初に決まっているものではない、と言えます。
割合で比べるより、次の点を確認するほうが実際の判断に役立ちます。

複数の会社から提示を受けた場合も、金額の大小だけでなく、こうした前提を並べて比べると違いの理由が見えてきます。
買主が見つかれば、仲介のほうが高くなることは多いでしょう。ただし、地方の築古物件や空室の多い物件は、買主探しに時間がかかったり、融資が付かず話がまとまらなかったりするケースも少なくありません。仲介手数料や売れるまでの保有コストも含めた手取りで比べるのが確実です。
「その割合の元になっている相場はいくらで、何を差し引いているのか」を尋ねてみてください。修繕費や想定家賃の説明がきちんと返ってくるかどうかも、会社を比べる材料になります。
書類がそろうと、見込み違いへの備えとして差し引く額を小さくできる場合があります。レントロールや修繕履歴は、手元にあるものだけでも用意しておくとよいでしょう。
「何割か」が気になるのは、損をしたくないという自然な気持ちからだと思います。その不安は、割合よりも価格の根拠を一つずつ確認することで小さくできます。
ITTOAでは自社で買い取るため仲介手数料はかからず、査定は無料です。査定でどこを見ているかは査定方法のページにまとめています。価格の内訳について知りたいことがあれば、お気軽にお尋ねください。

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