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最終更新: 金利・返済

金利上昇で返済が苦しくなったとき、売却を考える前に踏む4つの順番

金利上昇で返済が苦しくなったとき、売却を考える前に踏む4つの順番のイメージ

金利上昇で返済が重くなったとき、焦って売る前に踏みたい4つの順番があります。自分の返済がいつ・いくら増えるかの確認、1年分の手残りの試算、借り換えや期間延長など持ち続ける手の比較、売った場合の手取りの出し方までを、試算例と表で具体的に示します。

結論

返済が苦しいときは、返済の増え方を確かめ、1年分の手残りで耐えられる範囲を見て、持ち続ける手と売却の手取りを同じ表で比べる順番が安全です。売却はその比較の結果として選ぶものです。

金利が上がって返済が苦しくなってきたとき、最初にすることは売却の決断ではありません。進める順番は①返済の増え方を確かめる、②手残りで耐えられる範囲を見る、③持ち続ける手を並べる、④売った場合の手取りと比べるの4つです。この順番を守ると、焦って不利な判断をする可能性を下げられます。

日本銀行は2026年6月に、政策金利(日本銀行が誘導する短期の金利の目標)を1.0%程度へ引き上げました。今後も経済・物価の情勢に応じて引き上げていく方針を示しています(2026年9月時点)。変動金利で借りているオーナーほど、この流れを自分の返済に置き換えて考える必要があるでしょう。

①返済がいつ・どれだけ増えるのかを確かめる

金利上昇のニュースを見ても、自分の返済額がすぐに同じだけ増えるとは限りません。変動金利の借入では、まず短期プライムレート(銀行が短期の貸出で基準にする金利)が改定されます。そのあと各行の基準金利が見直され、実際の返済に反映されるまで時間差があります。

例えば、都市銀行の短期プライムレートの最頻値は2026年8月3日に2.375%へ引き上げられました。三菱UFJ銀行は住宅ローンの変動金利の基準金利を2026年9月1日に見直しました。8月31日以前から借りている毎月返済の人には、11月の返済分から反映されると案内しています。アパートローンの見直し時期は契約ごとに違うため、手元の契約書で確かめます。

  • 金利タイプ(変動・固定・固定期間選択)と、次の見直し日
  • 今の適用金利と、基準金利から差し引かれている優遇の幅
  • 残債(ローンの残り)と、残りの返済期間
  • 返済額がすぐには変わらない取り決めが契約に付いているか

分からない項目は、金融機関に返済予定表を出してもらうと一度に確かめられます。

②1年分の手残りで、どこまで耐えられるかを見る

返済の増加額が分かったら、家賃収入から経費と返済を引いた手残り(手元に残るお金)で考えます。返済比率(年間返済額÷年間家賃収入)も目安になりますが、空室や修繕費を入れた実態で見ることが大切です。

例えば、試算の前提を「残債6,000万円・残り20年・元利均等返済で、金利が2.0%から2.5%に上がり、残りの期間で返済額を計算し直す」とします。

項目 金利2.0% 金利2.5%
毎月の返済 約30.4万円 約31.8万円
年間の返済 約364万円 約382万円
年間家賃800万円・経費200万円のときの手残り 約236万円 約218万円

年間で約17万円の減少です。この差を「大きな修繕が来てもまかなえるか」「空室が2戸増えても赤字にならないか」という視点で確かめると、状況の重さが見えてきます。手残りに余裕があるなら、慌てて売る理由は小さいと言えます。

③持ち続けるための手を、効果と注意点で並べる

売却を考える前に、持ち続ける手がどれだけ残っているかを並べます。どれも一長一短があり、一つで解決するとは限りません。

手段 期待できる効果 注意点
借り換え 金利や期間の条件が改善する可能性 築年数や担保評価によっては応じてもらえない。手数料もかかる
返済期間の延長 毎月の負担が下がる 総支払額が増え、残債の減りが遅くなる
経費の見直し 管理委託料や保険などの固定費が下がる 削れる幅には限りがある
家賃の見直し 収入が増える 地方では相場を超えて上げるのは難しい
自己資金での繰上返済 利息の負担が減る 手元資金が薄くなり、修繕に備えにくくなる

見落としやすいのは「効果がいつ出るか」です。借り換えや期間延長は審査に時間がかかり、家賃の見直しは入居者の入れ替わりを待つことが多いというケースも少なくありません。

④売った場合の手取りを出して、同じ表で比べる

持ち続ける手と比べるには、売却した場合の数字が必要です。査定額から残債、繰上返済の手数料、抵当権を外す登記の費用、税金などを差し引いた手取りを出しておきます。税金は個別の事情で変わるため、税理士への確認が必要です。

売り方によっても、手取りと期間は変わります。仲介は買主を探す期間がかかる一方、買取は価格が抑えられやすいものの、期間の見通しが立てやすく仲介手数料もかかりません。違いは仲介と買取の比較の記事で詳しく触れています。

手取りがプラスなら、選択肢は広く残っています。査定額が残債を下回りそうな場合は、早い段階で金融機関や専門家に相談しておくほうが、取れる手は多いでしょう。

よくある質問

金利がまた上がりそうなら、急いで売ったほうがよいですか?

金利の先行きは誰にも断定できません。先行きを当てるより、「金利があと何%上がると手残りがゼロになるか」を計算し、その余裕の大きさで判断するほうが確実です。

返済が遅れてから相談しても間に合いますか?

遅れる前のほうが、借り換えや売却の選択肢を多く残せます。滞納が続くと金融機関との話し合いの前提が変わるため、苦しいと感じた段階で数字を持って相談するのが望ましいと言えます。

査定を受けたら、売らなければいけませんか?

査定は判断材料を得るためのもので、受けたからといって売る義務はありません。持ち続けるか売るかを比べるための数字として使えます。

返済予定表、直近の家賃の明細、固定資産税の通知書がそろえば、比較はかなり具体的になります。ITTOAは地方の収益物件を自社で買い取っており、査定は無料です。遠方の物件でも、資料のやり取りと電話・オンラインで進められます。

売るかどうかを決めていない段階でも、比較のための数字としてお使いください。価格の出し方は査定方法のページで紹介しています。

参考にした情報

本記事は一般的な情報の提供を目的としたものです。個別の物件については状況によって判断が変わりますので、具体的な相談はお問い合わせフォームまたはお電話でお寄せください。

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