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空室・運用

売却を前提にした空室対策は、どこまでやるべきか

持ち続ける前提の空室対策と、売却を前提にした空室対策は別物です。回収できる投資と、回収しにくい投資の線引きを整理します。

空室対策の情報はたくさんありますが、その多くは「これから長く持ち続ける」ことを前提にしています。数年で回収する想定の施策を、1年以内に売る物件に当てはめると、費用だけが出ていきます。

売却を前提にする場合、判断の基準は一つです。その支出が、売却価格の上昇として戻ってくるか。

戻ってきやすいもの

1. 印象を左右する共用部

買主も現地を見ます。エントランス周りの清掃、草の処理、ゴミ置き場の整理、切れた外灯の交換。数万円で済むことが多く、物件全体の管理状態の評価に直結します。費用対効果はいちばん高い部類です。

2. 資料の整備

支出ではありませんが、効きます。レントロール、修繕の履歴、設備の交換時期がまとまっていると、買主は将来の支出を読めます。読めない部分は、買主にとってリスクとなり、価格の割引として要求されます。

3. 明らかな不具合の是正

雨漏り、給湯器の故障、共用部の漏水。放置すると被害が広がるものは、先に手を打つほうが安く済みます。ただし、当社の買取では現況有姿での対応も可能ですので、無理に直してから売る必要はありません。

戻ってきにくいもの

1. 大規模なリノベーション

フルリフォームは1室あたりの支出が大きく、賃料の上げ幅で回収するには年数がかかります。買主は自分の再生プランで計算するため、前オーナーの内装がそのまま評価されるとは限りません。

2. 賃料を下げて埋める

短期的には稼働率が上がりますが、下がった賃料が新しい基準になります。収益還元法で評価する以上、賃料の下落は価格の下落として効いてきます。

3. 広告料を厚く積む

決めるための費用としては合理的でも、売却直前の入居は買主から「作られた満室」と見られます。積んだ広告料は価格に乗りません。

判断の順番

  1. まず、現況のままの査定額を出してもらう
  2. 次に、施策を打った場合に見込める価格を確認する
  3. その差額と、かかる費用・期間を比べる

この順番で見ると、多くの場合は「共用部の手入れと資料整備まではやる、内装と賃料には手を付けない」あたりに落ち着きます。

持ち続けるか、売るかを分けて考える

空室が埋まらない原因が、間取りや設備ではなくエリアの需要そのものにある場合、対策で解決できる範囲は限られます。この場合は、対策への投資ではなく、売却も含めて検討する段階に来ていると考えられます。

どちらの結論でも構いません。判断のために、まず現況の価格を知っていただくのがよいと思います。買取事例のページに、空室が多い物件や築古物件の実例を掲載しています。

本記事は一般的な情報の提供を目的としたものです。個別の物件については状況によって判断が変わりますので、具体的なご相談はお問い合わせフォームまたはお電話でお寄せください。

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